ステレオタイプは具体的な数値や実績で乗り越えることが肝心【行動経済学×ITコンサル】

ITコンサル業務につかえるポイント

1) 印象ではなく、具体的な数値や実績で示す
2) 最終的に使うユーザーを意識し、反発を減らす
3) 大手企業での導入実績や成功例を示す

行動経済学の理論(項目)の一つである、ステレオタイプ – Stereotype – をもとに

ITコンサル実務で活用可能なポイントを紹介します

ステレオタイプとは

ステレオタイプとは、多くの人に浸透している先入観、思い込み、認識、固定観念、レッテル、偏見、差別などの類型化された観念である。

WikiPedia(外部サイト)

この単語を聞いたことがない人はいないかもしれません

有名な思考の偏りであり、逃れることは難しいです

「新しいテクノロジーは複雑で使いにくい」という先入観や、

「大手ITベンダーなら信頼できる」というイメージなど、

色々な形でステレオタイプ(固定観念)を持っていますよね

一般にステレオタイプというと、物事を固定的に考える、頑固などネガティブなイメージがあります
しかし、考える量を減らしたり、正しい(可能性が高い)結論を出せたりする、ポジティブな面もある点に注意しましょう

IT業務に活かすためには、

まずはお客様がITコンサルやITシステムに対して

どのようなステレオタイプを持っているかを探ることが一歩目です

探ったステレオタイプに対して、対応を考えましょう

ITコンサルの業務への活用ポイント

活用ポイント1) 印象ではなく、具体的な数値や実績で示す

お客様の印象を乗り越えるためには、具体的な数値や実績が結局有効です

悪い印象や固定概念を持っている相手に対して、

「一丸となって頑張ります!」などの感情論で話しても払拭は難しいためです

ITはコストが高くて複雑、わかりにくい、なんか怖い

といった印象を持っているお客様はけっこういます

経験に基づいた意見である可能性もありますが、

多くの場合はステレオタイプ(経験や、印象によるバイアス)です

お客様のステレオタイプを乗り越えるためには、具体的な内容をぶつけましょう

例えば、ITはコストが高い、というお話であれば

今回の最終的なコストはこの金額です、を明示します

もちろん嘘や誇大表示になるような金額提示はやめましょう

活用ポイント2) 最終的に使うユーザーを意識し、反発を減らす

新システムを実際に使うユーザーは、基本的に新システム導入に反対します

「今困っていない」や「効率化すると自身の雇用が危ないかも」など理由は色々ですが

現状維持バイアスも手伝って、変化を嫌うことが多いです

そこで、ユーザーにとってのメリットがあることを意識して

導入プロジェクトを進めることが重要です

ユーザーへのヒアリングを行い

「どのような点が気になることが多いですか?」や

直接「過去に使いにくかった製品など記憶にありますか?」などと聞いてみると解決しやすいです

ユーザーの持つ印象を確認した上で、アプローチの仕方を考えましょう

具体的には以下の方法があります

・デモを行い、ユーザーに親しみやすいインターフェースであることを示す

・導入初期に直感的に操作できる機能を強調する

・段階的なトレーニングプログラムを提供して「簡単に使いこなせる」というイメージを構築する

「新システム導入は経営層が決めたことなので、黙って従ってください」

ではなく、ユーザー側の視点を忘れないことがスムーズな導入に繋がります

活用ポイント3) 大手企業での導入実績や成功例を示す

お客様は、企業ブランドや過去の成功事例に基づくステレオタイプにより、

信頼できるか、信頼できないかを判断していることがよくあります

「マイクロソフト製のソフトなら、怪しい動作はしないだろう」や

「他の大手企業がOKと判断したのであれば、たぶん大丈夫だろう」ということですね

上に書いたポイント1と似ていますが、他の大手企業での成功事例や、採用実績(まだ導入中)を提示することで

ステレオタイプを乗り切っていきましょう

機密扱いになることもよくあるため、出して良い情報かどうか事前に社内で確認しましょう

まとめ

行動経済学の理論の一つ、ステレオタイプをもとに

コミュニケーションを行う相手がステレオタイプを持っていることを前提と捉え、具体的な数値や実績を元に印象の改善を行いましょう。
さらにユーザーによる新システムへの反発を軽減するため、親しみやすいインターフェースを見せて使いやすさをアピールすることも重要です。

というITコンサル現場での活用方法を紹介しました

ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います

本ブログでは
行動経済学をお客様を良い方向、最適な方向に導くための効果的な方法の一つとして紹介しています
「自身の都合のいいように操る、誘導する方法」では断じてありません、ご留意ください

他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います

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