実はうまくいっていない要件ヒアリングが意外に多いです

要件ヒアリングのポイント
1) ヒアリング項目の前提や意図をきちんと説明する
2) 事前にヒアリングシートを送付して満足しない
3) 項目ごとの優先度をはっきりさせる

実は難しい要件ヒアリング

お客様に何をしたいかを聞き出していく、要件ヒアリングの工程は

筆者の経験上、かなり腕が試されると考えています

難しい作業ですが、その難しさを理解できていないために

うまくいっていないケースをたくさん見てきました

しかもプロジェクトの序盤に実施するため、
お客様からの印象も含め、後々のダメージが大きいです

本記事では、要件ヒアリングを円滑に進めるためのポイントを3つ挙げます

ポイント1 ヒアリング項目の前提や意図をきちんと説明する

本記事で一番言いたいことであり、非常によくみる問題です

ヒアリングしたい項目それぞれについて、

どういう背景や意図で聞きたいのか、

さらに本プロジェクトでの重要度や優先度(すぐに必要な情報か、後でもいいのか)

を合わせて伝えましょう

理由は、ヒアリング項目は抽象的な文言になっていることが多く

お客様が回答の仕方に困ってしまうためです

例えば、何か新システムを導入するプロジェクトにおけるヒアリングの際

「御社で使用している監視システムは?」

とだけ聞くと、

お客様の頭には

システム全体での話?
今回導入するシステムを受け持つ範囲の話?
Ping監視とSyslog監視で違うサーバ使ってるけど、全部言った方がいいの?
新システムが稼働し始めるころには無くなる監視サーバも伝えたほうがいい?

などなど、たくさんの「?」が浮かぶことになり

ストレスを与えてしまいます

聞きたい内容のイメージがこちらとお客様で合っていないのが問題です

お客様から

「今回導入するシステムが、本番稼働時に使いそうな監視システムを答えればいいですか?」
などと聞かれてしまったらもう負け(?)です
回答しやすくする情報をこちらから先に出しましょう

ITコンサル側は準備する際に何度も見ている資料ですが

お客様側はほぼ見たことが無いことを念頭に置きましょう

ポイント2 事前にヒアリングシートを送付して満足しない

ヒアリングシートをお客様に事前送付するのはよくあるでしょう

しかし、「良い感じに埋めておいてください」といった

投げっぱなしスタイルは非常に危険です

ヒアリングシートに限らず、

送付した資料をお客様が隅々まで見ていることはまずありません

もしお客様から「事前に送付してください」と要求された場合であっても

「事前に確認し、しっかり考えておきます」という意味はほぼありません

回答が用意されないのが普通です

ポイント1にも書きましたが、

ヒアリングシートは単体では各項目の背景や思いなど、何を聞きたいのかが不明確なことが多いです

基本的には説明しつつ、ヒアリングを進める前提でいきましょう

ポイント3 項目ごとの優先度をはっきりさせる

お客様がきまずさを感じないよう、聞き方を工夫しましょう

そもそも要件ヒアリングはお客様からするとひたすら質問に答え続ける形になりかなり疲れる作業です

「提案時にヒアリングするって書いてるし、しっかり答えてもらって当たり前」などと考えないようにしましょう

お金をいただいているのはこちらですから

まず要件ヒアリング開始時に

「現段階ではなくても大丈夫な項目については随時お伝えします。

一方で、早めに必要な項目もありますので、そこは来週までにいただく必要があります」

などとお伝えし、優先度をはっきりさせましょう

メリハリがなく、淡々と聞いていくだけだと眠くなりますし

早めに必要なヒアリング項目は事前にメールなどで連絡しておくのも有効です

そもそもシステム構成や、要件が全て頭に入っている人などいません
その場で全部出てくることを期待してはいけません

まとめ

上流工程を担当する上で避けて通れない、要件ヒアリングについて

お客様とのミーティング時に気を付けるべきポイントとして以下を紹介しました

要件ヒアリングを成功させるためには、質問の意図を明確にし、お客様が答えやすい環境を整えることが重要です。単に質問するのではなく、質問の背景や優先順位をきちんと伝えることが重要です。

他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います

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