権威に振り回されず、使いこなすためのポイント3選【行動経済学×ITコンサル】

ITコンサル業務に明日活かせるポイント

1) 上司や役員に同席してもらう
2) クライアントがピンとくる権威を使う
3) 地位や肩書きだけで信用しない

行動経済学の理論(項目)の一つである、ミルグラム効果 – Milgram Effect – をもとに

ITコンサル実務で活用可能なポイントを紹介します

ミルグラム効果とは

専門家や権威、地位のある人物の指示や言動を信じ込んでしまう傾向の法則性のこと

未来マーケティング(外部サイト)

人間は権威に弱い、ということですね

誰でも心当たりがありまくると思います

元々は

人間の生死に関わるようなことでも、権威者の命令であれば意外にできてしまう

という、かなり心理的ハードルの高い服従のお話でした

しかし服従とまでいかなくても、もっとライトな、色々な権威に従ってしまうことがわかっています

例えば、全然面識はなくてもなになに大学の教授です、と挨拶されたら

全面的に信じます、とまではいかないと思いますが、

その人の言葉をなんとなく信じてしまうのではないでしょうか

その他権威に弱い例としては

・政府が言ってます

・この本の作者が言っています

・専門家が言ってます

・テレビが言ってます 

など多岐にわたります

ITコンサルの業務への活用ポイント

活用ポイント1) 上司や役員に同席してもらう

シンプルなメッセージです

大きな提案の時や、お客様側の上役が出てくるようなミーティングでは

上司や役員の同席が有効です

たとえ同席者がほぼ話さず、ポイントのみ発言してもらうだけでも印象がかなり違います

結局何を話すかではなく、誰が話すかが非常に重要ということです

ただ、権威に頼りすぎると、

本当は正しい判断じゃなくても権威の勢いでGOがでてしまう可能性もあるため、それはそれで危険です

権威はあくまで権威であり、ある意味で虚構ではあります

提案そのものの価値が結局重要であり

実際にお客様の要望に沿えない内容であれば、価値がありませんので気を付けましょう

経験上、権威に頼ってねじ込んで通した企画や、提案は、何らかの形であとで痛い目にあうため

権威カードの切り方は慎重になる必要があります

権威カードを使う前に、クライアントへの価値を届けられる内容に本当になっているのかどうか

注意しながら進めましょう

そもそも役員などにお客様の背景や今回の狙いなどを説明し、納得してもらう必要も出てくるため
ミーティングに出てもらう前準備にかなり手間がかかります
手間も含めて、トータルでプラスとなるかどうかを意識して進めていきましょう

あと、権威のある人は基本的に優秀であり、話すのもうまいですが、

どうしても現場の空気感や、お客様の特性などを理解しきれないことが多いですので、

変なことを言われないように事前に対応しておきましょう

活用ポイント2) クライアントがピンとくる権威を使う

権威は出し先が重要というお話です

実はすごい権威であっても、全然知られていなければ意味がありません

本部長とかCIOなど、わかりやすいことも重要です

例えば、私はネットワークの世界では有名なCiscoの資格(CCIE)を持っています

ネットワークの世界の中だけで見れば多少の権威になりますが、

他の分野だと知られていないため、全然権威になりません

そのあたりの認知度を正しく認識できるように意識しましょう

わかりやすい権威であることも大事です

IT関連であれば、

「セキュリティ関連のISO27001準拠」「政府ガイドライン準拠」

などの表記を付けるのも効果がありますね

「Microsoftも使っている」「Googleも使っている」なども非常に効果がありそうです

もちろん、事実である必要がありますが

一方で、知られていても、「すごいな」と思われないと効果がありません

「モンドセレクション金賞!」といわれても、

なんかどこでも見るしな・・・となりますよね

「知られていること」と「権威を感じること」の両立が重要です

活用ポイント3) 地位や肩書きだけで信用しない

権威を持つ人を信じてしまうのは、心理的なバイアスですので

正しい認識をするためには、意識的に取り除くしかありません

例えば偉い人が言ってるから、政府が言ってるから、

という理由で思考停止にならないようにしよう、ということです

権威にはだいたい従うのが正しい、あるいは従うと良いことがある、

というのを経験上理解しているから、無意識に従ってしまうのだと思います

ですので従うのはある程度正しいことではあるのですが、

ITコンサルの仕事上、基本的に情報を鵜呑みにしないほうがいいと考えています

例えば、何かの製品で新機能が出た場合

そのメーカーが出してくる資料には当然良いところが記載されています

もし新たなニーズに対応します、と資料にかかれていた場合、

本当にそのニーズは存在するのか、

そのニーズはどの程度ありそうか

そもそもこの製品がとった方法以外の対応方法(代替案)はないのか

など、色々考える余地があります

少し無理にでも思考を広げておくことで、

他人に説明するときの納得感が違いますし

お客様から「その機能どうなの?」と質問された際にも答えやすくなります

おすすめなのは、何か新しい話や言葉を聞いた際、心の中で
「そもそも・・・」、「まとめると・・・」、「裏があるとしたら・・・」
を唱えることです

まとめ

行動経済学の理論の一つ、ミルグラム効果をもとに

人間は権威に弱く、信じやすい傾向があるため、重要なミーティングなどには上司や役員に同席してもらうことが効果が大きい。権威を使って信じさせるためには、「知られていること」と「権威を感じること」の両立が重要。地位や肩書きだけで信用せず、基本的には情報を疑ってかかるべき。

というITコンサル現場での活用方法を紹介しました

ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います

本ブログでは
行動経済学をお客様を良い方向、最適な方向に導くための効果的な方法の一つとして紹介しています
「自身の都合のいいように操る、誘導する方法」では断じてありません、ご留意ください

他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います

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