ITコンサル業務に明日活かせるポイント
1) 提案時には3つの選択肢を
2) 価格差はつけすぎない
3) 本当に売るべき提案内容か考える
行動経済学の理論(項目)の一つである、ゴルディロックスの原理 – Goldilocks principle – をもとに
ITコンサル実務で活用可能なポイントを紹介します
ゴルディロックスの原理とは
『三匹の熊』(ゴルディロックスと3匹のくま(Goldilocks and the Three Bears))の童話の喩えを借りて名付けられたものである。物語の中にゴルディロックスという名前の少女が登場し、三種のお粥を味見したところ、熱すぎるのも冷たすぎるのも嫌で、ちょうどよい温度のものを選ぶ。この童話が世界中でよく知られていることから、この名前を使うことで「ちょうどよい程度」という概念の理解が容易になり、発達心理学や生物学、 経済学、工学など、他の幅広い領域にも適用されるようになった。
3段階のものがあると、真ん中をちょうどよいと感じて選びがちというお話です
かっこいい名前ですが、ゴルディロックスは童話の少女の名前なので、それ自体に意味はありません
日本では松竹梅の法則としても知られていて
竹が選ばれがちです
ファーストフードやコーヒー店のS/M/Lを見ると、なんとなくMを選んでしまいます
3つ選択肢があればいいというわけではなく、
内容に段階的な差があるのもポイントです
例えば鞄を選ぶ際、単に色違いの赤、青、黄色が並んでいたら
青を選ぶ、、、のではありません

ITコンサルの業務への活用ポイント
活用ポイント1) 提案時には3つの選択肢を
提案時には価格的にも、内容的にも3段階用意し、本命を真ん中に置きましょう

よくあるのは本命の1点張りで、
「これがお薦めです、これを買ってください」という見せ方でしょう
しかし1つしか提案が無いと、お客様としても押し付けられた感がでますので
お客様が自分で選んだ感じを演出することも重要です
行動経済学的には、心理的抵抗(リアクタンス)の軽減と言えます
最上位のフルサービスも、「高いしうれないにきまってる」などと決めつけずに提示しましょう
準備に手間がかかりますし、無駄に思えるかもしれませんが
最上位のサービスが売れる(売れてしまう?)こともあります
以前、とにかくフルサービスを提示だ!と思って見せたところ
予想に反してフルサービスが売れてしまい
肝心のサービス提供体制が組めないかもしれない事態になったことがあります
最低限、提供可能かどうかを確認して出しましょう・・・
活用ポイント2) 価格差はつけすぎない
段階的な3つの選択肢がある場合
選択割合はだいたい2:5:3になり
価格は6:4:3が最も効果が高いことがわかっています
6:4:3というのが重要で、飛びぬけて高いものや、飛びぬけて安いものがあると
選択肢として検討されないことを意味しています
本命の真ん中の金額と比較して、1.5倍ぐらいに抑えましょう
もう一点、選択肢の数を3つにすることも重要です
2つだと安い方が選ばれやすくなります
基本的にはなんでも安い方がいいので、2つで比較すると、安い方に流れがちです
一番上の、高いものがあるから、真ん中が選ばれるわけですね
一番高いのはちょっと豪華すぎる気がするけど、
安いサービスに少しお金を足せばいい感じのレベルが手に入る、ぐらいの心理の流れですね
さらに選択肢が4つ以上になると、そもそも「選択しない」確率が増加していきます
人間は考えたくないので、4つ以上だと比較検討に疲れてくるんでしょう
活用ポイント3) 本当に売るべき提案内容か考える
真ん中が売れるのはいいけど
本当に売る価値があるものなのか、ちゃんと考えましょうということです
まず一番クライアントにとって価値があると思えるサービスや商品を検討し
それを中心に据えて、高いものと安いもの(上と下)を考える形がおすすめです
不要なものを高い値段で売りつける手段ではなく、
最適な解に導くための手段としてゴルディロックスの原理を活用していきましょう
まとめ
行動経済学の理論の一つ、ゴルディロックスの原理をもとに
サービスなどを提案する際、段階的な3つの選択肢を用意すると真ん中を選ばれやすくすることができます。価格的にも、内容的にも3段階用意し、本命を真ん中に置くべき。さらに飛びぬけて高い選択肢や、飛びぬけて安い選択肢を避けることで適切な選択を促すことができます。しかし誘導的にならず、本当に売る価値があるものなのか、ちゃんと考えましょう。
というITコンサル現場での活用方法を紹介しました
ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います