他人の性格のせいにしたい気持ちを抑えよう【行動経済学×ITコンサル】

ITコンサル業務に明日活かせるポイント

1) お客様の対応が悪いときは、裏の理由を探る
2) プロジェクトメンバーが動かない場合も根本原因を探る
3) バイアス克服のため、知識と意識で戦う

行動経済学の理論(項目)の一つである、根本的な帰属の誤り – Fundamental Attribution Error – をもとに

ITコンサル実務で活用可能なポイントを紹介します

根本的な帰属の誤りとは

根本的な帰属の誤りは、個人の行動を説明するにおいて、当人の気質や個性を過重視し、当人が置かれていた状況を軽視する傾向を言う。帰属バイアスの一種である。

WikiPedia(外部サイト)

この言葉は聞いたことが無い人が多数だと思いますが、
言葉自体は聞いたことがないままで全く問題ありません
裏付けとして載せています

重要なのは内容のほうであり、

「他人の行動はその人の性質(性格)が原因」と思ってしまうバイアスです

例えば、他人がミスを起こした場合

直感的に

ミスを起こした人の性質(性格)が怠惰だった、あるいは注意力が散漫だったに違いない

などと考えてしまうものです

しかしミスの原因を詳しく聞くと、

実はシステムトラブルだった、とか

さらに誰か他の人のせいだった、とか

色々な外部要因があるかもしれません

注意すべきなのは、真の原因を見落としがちになることです

ITコンサルの業務への活用ポイント

活用ポイント1) お客様の対応が悪いときは、裏の理由を探る

お客様とのコミュニケーションにおいて、

メールが返ってこない、ミーティングに出てもらえないといった

状況になることがあるでしょう

コミュニケーションが取れないとき、

「全然連絡をくれないなんて、嫌な人だ!」

などと考えてはいけません

実際にはお客様側が忙しい時期であったり、なぜか迷惑メールに振り分けられていたりと、

連絡が来ない理由がある可能性を忘れないようにしましょう

急病で長期休暇に入られていた、という経験があります

活用ポイント2) プロジェクトメンバーが動かない場合も根本原因を探る

お客様側だけではなく、チームメンバー側にも言えます

「うちのメンバー全然動かないんだよ、やる気がないに違いない」や

「うちのリーダー全然仕事しないなー、これは能力が低いに違いない」など

成果が出ないのを本人の性格や性質のせいにしているのを聞いたことはないでしょうか

単純に聞き苦しいですし、

成果がでないのは、色々な可能性があります、例えば

・リーダーが求心力を失っていて、メンバーのやる気がすでにない
・リーダーが指示をうまく出せておらず、何をしたらいいかが伝わっていない
・実はプライベートが大変なことになっており、仕事どころではない

などですね

他人を責める前に、いったん立ち止まり、何か原因があるかもしれないと考えましょう

原因次第では、何か打つ手があるかもしれません

指示しなくても動くべき!
プライベートが大変なんて関係ない!
という考え方もあるかもしれませんが・・・
たぶん時代に合っていません

活用ポイント3) バイアス克服のため、知識と意識で戦う

バイアスは無意識に発生するのが厄介で、対応が難しいです

逆説的ではありますが、他人の行動に不満を持った場合、

強く意識してその原因を探るしかありません

バイアスを知識として持つメリットは、意識できることにあります
意識することで、軽減できたり回避できたりします

具体的な行動として、お客様やチームメンバーに直接理由を聞いてみましょう

もしチームリーダーなど上の立場の人に聞くのが難しい場合でも、

意識するだけで多少バイアスは緩和できます

まとめ

行動経済学の理論の一つ、根本的な帰属の誤りをもとに

お客様やチームメンバーの対応が意に沿わないとき、安易に能力が低いなどと決めつけない
何か裏に理由があると考え、まずは確認していく

というITコンサル現場での活用方法を紹介しました

ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います

本ブログでは
行動経済学をお客様を良い方向、最適な方向に導くための効果的な方法の一つとして紹介しています
「自身の都合のいいように操る、誘導する方法」では断じてありません、ご留意ください

他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います

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