ITコンサル業務に明日活かせるポイント
1) できるようになり始めた時こそ、調子に乗らない
2) お客様もわかった気になっているかもしれない
3) あなたの知識は、思っているほど当たり前ではない
行動経済学の理論(項目)の一つである、ダニング=クルーガー効果 – Dunning–Kruger Effect – をもとに
ITコンサル実務で活用可能なポイントを紹介します
ダニング=クルーガー効果とは
ある特定の分野において能力の限られた人が、自分の能力を過大評価してしまうという認知バイアスのことである。
能力の低い人ほど、自身の力量を高く評価しがちという性質です
自身を高く評価することで、心の安定を図る方向に行きます
きちんと立ち位置を理解してしまうと、
精神的に厳しいことを察知してしまうからかもしれません
「特定の分野」や「能力」が何を指すかは難しいところですが、
細かな定義は重要ではありません
(専門家の間でも色々意見が分かれています)
仕事をしていく上で重要な点は
自己評価と他己評価が一致しない
が多いことだと考えています
自身を正しく評価するのは非常に難しいということですね
評価の不一致を極力小さくするため、
特にはじめのうちは自分が思っているほどすごくないことを意識しましょう
さらに継続的な努力が必要だ、と謙虚めに考える方がよさそうです
ダニング=クルーガー効果を図にしたものを見つけました、
能力が低めのうちは評価が過剰、ある程度伸びると正しい(客観的な)評価ができてきます

ITコンサルの業務への活用ポイント
活用ポイント1) できるようになり始めた時こそ、調子に乗らない
入社して3~4年が経ち、業務に慣れ始めたときが注意ポイントです
かなり仕事をこなせるようになり
周りの先輩よりもちょっとできる気になった経験、ありませんか?
筆者は5年目ぐらいに、
社内でもネットワーク技術の知識はかなり上の方では?
と思っていました・・・
でも、倍以上のキャリアを持つような先輩に
総合的に勝つことは現実的に難しいです
客観的な評価ができていなかったのだろうと思います
一度調子に乗り始めると、自身がすごいことを補強する情報ばかり集めてしまいます
典型的な確証バイアスですね
周囲の評価は冷静です
自身のすごいところにのみ目を向けるのではなく、
先輩のすごいところが何かを考え、吸収していく方が成長に繋がります
活用ポイント2) お客様もわかった気になっているかもしれない
お客様側でも、初心者だからこそ、理解した気になりやすい点に注意しましょう
ITコンサルがお客様に何かを説明する際、
お客様がその分野の初心者であることはよくあります
理解した雰囲気を出すのは簡単な一方、
「理解できてませんので、ちゃんと説明して」
ということはなかなか難しいものです
お客様が本当に理解しているのかを把握するため、
理解度を確認する質問をしてみたり、雰囲気を注意深く見てみたりしましょう
活用ポイント3) あなたの知識は、思っているほど当たり前ではない
本当に詳しくなってくると、逆に自身の価値を低く見積もってしまう傾向があります
「あの達人たちに比べると、自分なんてまだまだ・・・」
という感じですね
詳しくなり、達人のすごさを理解できるようになった結果、このような思考になります
周囲にも同じレベルの人たちがたくさんいる環境では特に麻痺してきますが
しかし実際には、外にでればあなたの技術は非常に有用な可能性が高いです
私は相手との技術の差(GAP)が価値になると考えていますので
たまに視点を変え、提供場所を変えることで提供価値の最大化を目指しましょう
まとめ
行動経済学の理論の一つ、ダニング=クルーガー効果をもとに
業務に慣れ始めた時こそ注意が必要。自分の能力を過信せず、先輩の優れた点を学ぶことで成長に繋がる
初心者のお客様は「理解したふり」をしがち。本当に理解しているか確認する質問や観察が重要
詳しくなると自己を過小評価しがちだが、外では価値が高い可能性がある。視点を変え価値を最大化しよう
というITコンサル現場での活用方法を紹介しました
ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います
本ブログでは
行動経済学をお客様を良い方向、最適な方向に導くための効果的な方法の一つとして紹介しています
「自身の都合のいいように操る、誘導する方法」では断じてありません、ご留意ください
他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください
ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います