【行動経済学×ITコンサル】専門知識がITコンサルの本当の価値ですか?

行動経済学をITコンサルとして実践してきた経験を活かし、明日使える知識を紹介します
私のバックグラウンドや具体的なターゲットなどは導入ページをご参照ください

ITコンサル業務につかえるポイント

ITコンサルが専門分野に詳しいのは当たり前
「先週のミーティングでお伝えしたと思いますが」はNG
伝わらないのは自分のせい

行動経済学の理論(項目)の一つである、知識の呪い – Curse of knowledge – を

ITコンサル実務で活用可能なポイントを紹介します

知識の呪いとは

知識の呪い(ちしきののろい、英: Curse of knowledge)は、他人とコミュニケーションを取っている個人が、自分の知っていることは、他の人も知っていると思い込んでしまい、そのことについてあまり知らない人の立場を理解することができなくなってしまう認知バイアスである。

Wikipediaより(外部サイト)

自身が知っていることはみんな知っているはず

というと、かなり傲慢な考え方に聞こえるかもしれません

しかし、普段のコミュニケーションの中でもなかなかの頻度で見られます

誰かと話していて、

「なんでそんなことも知らないの?」

と思った(または言った)場合、

知識の呪いにかかっている可能性が高いです

問題は、本当に「なぜ知らないの?」と感じてしまっていて

悪気なくやってしまう点です

軽く言ったつもりでも、相手は不快に感じる可能性が高いため

気を付ける必要があります

ITコンサルの業務に活用する

ITコンサルが専門分野に詳しいのは当たり前

ITコンサルとして活動している方は

お客様よりも専門分野で詳しいはずです

しかしお客様からすると詳しいこと自体は当たり前のことです

専門知識にお金を払っているわけではなく、

詳しい以上の何かにお金を払っていると考えましょう

専門分野に詳しいことを根拠にして

偉そうにしてはいけません

ITコンサルタントは相談されてナンボ、相手に寄り添い、信頼されてナンボです

例えば高級店に服を買いに行った場合を想像してください

店員がこちらの要望も聞かずに

「最近のトレンドは・・・」とか

「あなたに似合うのは・・・」とか

言い出したらちょっとがっかりしませんか?

この服屋の店員は知識の呪いにかかっています

あなたの知識を聞きにきたんじゃなくて

私に合う服、買いたい服を探しにきたんですけど

となるはずです

「先週のミーティングでお伝えしたと思いますが」はNG

一度言ったことを、相手が全て覚えているのが当然

という姿勢は危険です

ITコンサル側は資料作成に何時間もかけており

お客様の何倍もプレゼン内容を理解しています

深く理解しているからこそ、知識の呪いが発動します

お客様の理解度を確認せず、自身のペースで話した結果

お客様を置いていくことになってしまいます

プレゼンは自身の知識や考えを披露する場ではなく
お客様に理解いただき、何かしらの判断をいただく場です

なぜお客様が理解できないのか、ではなく

理解できなくて当然、ぐらいに捉えておく方が安全側です

こちらがどのような心情でコミュニケーションをしているかは

だいたい相手にばれています

「なぜ理解できないの?」と考えている人は

口に出さなくてもばれます

以前、ITコンサルが

「再三申し上げているように」から発言を開始していました

ここまでいくと、もはや色々隠せていませんね・・・

伝わらないのは自分のせい

コミュニケーションを行う上で

なぜか伝わらないな・・・

と感じることはよくあるでしょう

伝わらないとき、人間は本能的に相手のせいにしてしまいます

しかしプロのITコンサルとして活動している以上

きちんとお客様に伝えてこそ価値を出せていることになります

論理的に正しい内容で説明して

理解いただくことを目標にするのではなく

「この人は信用できそう、この人に相談したい」

と思っていただきたいところです

お客様に理解いただけないのは、

ほぼ全て自身のせいです

決してお客様がバカなわけではありません

相手のせいにしているうちは反省がなく

自身の成長につながりません

もし読者がこの文章を見て「何がいいたいかわからない」と思った場合
筆者の文章力のせいです

と聞くと、「それは当然でしょ」と感じませんか?

他人については「本人のせい」にして
自身については「相手のせい」にするのは
ちょっと整合性がとれませんね

まとめ

行動経済学の理論の一つ、知識の呪いをもとに

ITコンサルは専門分野について詳しいのは当然なので、調子に乗らず、相手が理解できない場合は自身の説明力不足が原因と考えて改善しよう

というITコンサル現場での活用方法を紹介しました

ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います

本ブログでは
行動経済学をお客様を良い方向、最適な方向に導くための効果的な方法の一つとして紹介しています
「自身の都合のいいように操る、誘導する方法」では断じてありません、ご留意ください

他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います

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