【行動経済学×ITコンサル】コンサルは先生ではない!お客様に寄り添う姿勢を

行動経済学をITコンサルとして実践してきた経験を活かし、明日使える知識を紹介します
私のバックグラウンドや具体的なターゲットなどは導入ページをご参照ください

ITコンサル業務につかえるポイント

意見を押しつけない
お客様と共に結論へ到達する
メンバーへの依頼こそ丁寧に

行動経済学の理論(項目)の一つである、心理的リアクタンス – Psychological Reactance – を

ITコンサル実務で活用可能なポイントはこちら

心理的リアクタンスとは

心理的リアクタンス(英: psychological reactance)とは、「抵抗・反発」を意味するリアクタンスという語を心理学に適用した概念であり、「人が自由を制限(剥奪・侵害)された際に、それに抗おうとする性質」を指す

Wikipediaより(外部サイト)

というものです

勉強しろ!とか、今すぐメルマガ登録を!

と言われるとやる気がなくなる心理ですね

反発心といっていいかもしれません

身近な心理ですので、誰でも心当たりがあるでしょう

ITコンサルに活用する例

意見を押しつけない

当たり前なことかもしれませんが、意外に難しいようです

ITコンサルは専門知識を元に、

お客様の意思決定をサポートする立場です

専門知識の範囲ではお客様を上回っていることは前提となりますが

専門知識があるからといって

立場や全体的な能力が上というわけではありません

上から決めつけるような発言や

お客様の意向を無視するような言い方は避けましょう

ITコンサルは先生のような立ち位置を取りがちですが

先生タイプではなく、寄り添うタイプの方が

また相談したくなる気がしませんか?

例え事実を元に積み上げた、正当性のある結論であっても

「以上の理由であなたはこの施策を絶対やるべきです!」

と言うのは危険です

お客様に心理的リアクタンスが生じ、

本当は良さそうな施策だと評価していても、

実行へのやる気をなくしてしまいます

コンサルタントとして、施策に対して自分なりの結論を持つことは重要ですが

押し付けないように注意しましょう

ちなみに・・・
当ブログでは経験をもとにITコンサルにとって重要と思うことを書いていますが
押し付けないように気を付けています

お客様と共に結論へ到達する

心理的リアクタンスは何かを一方的に言われた場合に生じやすいです

そのため、一方的なコミュニケーションではなく

お客様との議論を通して結論に向かって一緒に到達する形が

非常に重要です

教えるのではなく、気づいていただくイメージですね

お客様が自分で考えたと感じられる施策は、

実施へのモチベーションがかなり上がります

結論への道筋が無く、

「この施策、どうすればいいと思いますか?」

といったオープンな質問は

ITコンサルとしては基本的にNGです

例えば、今後利用していくクラウドシステムを決めたい場合

クラウドA、クラウドB、クラウドCの仕様やサービスについて説明して

「この中で、どれを使っていきますか?」

と聞くのはダメ、ということです

「御社の置かれた状況や、現在のシステム環境をふまえると

クラウドAのこの特長が特にフィットしますし、

コストの面でも見合っています

一方クラウドBは他には無いこの特長があり、御社の要望にぴったりです

しかしコストが高めなので難しいところです」

ぐらいはお伝えしたいところです

お客様の理解度や雰囲気によりますが、

「今のところクラウドAが比較的優位かなと感じていますが

その他気になる点などないでしょうか。」

まで踏み込んでもいいでしょう

この時、クラウドAを押し付ける感じにならないよう注意します

さらに、あくまで最終決定はお客様の意思で、

という立ち位置は崩さないようにしましょう

メンバーへの依頼こそ丁寧に

何かをお願いする際にも、心理的リアクタンスに気を付ける必要があります

例えばプロジェクトメンバーへの仕事の依頼です

通常、チームリーダーがおり、その下にメンバーが数名つく形が多いです

手順書や構成図、プレゼン資料などの作成をメンバーに依頼する際に

「リーダーの自分が言ってるんだから、とにかくやれ」

といった雰囲気を出すと、反発心が生まれてしまいます

ちなみに、語尾に「お願いできますか?」と付ければ良いわけではありません

どのような資料を作成すべきか

メンバーに気づいてもらうスタイルは

かなり難しいと感じています

そこでおすすめしたいのは、

この作業を行うことで、どのようなスキル向上につながるのかや

プロジェクト上どの程度助かるのかなど、

実施する理由を合わせてお伝えすることです

メンバーは、リーダーがどのような気持ちで依頼してきているかを敏感に察知します

自分でやるのがめんどくさいから投げているだけなのか

メンバーのことを考えての依頼なのかはバレると考えた方がよいでしょう

雑に依頼した場合、

組織上の上下関係があるため、表面上はメンバーが従うことも多いですが

実際には納得しておらず、成果物の質は上がらないでしょう

まとめ

行動経済学の理論の一つ、心理的リアクタンスをもとに

ITコンサルは先生ではないため、上からの発言はせず、お客様と一緒に結論に至るよう努める
プロジェクトメンバーへの依頼時には背景や理由も合わせて伝える

というITコンサル現場での活用方法を紹介しました

ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います

本ブログでは
行動経済学をお客様を良い方向、最適な方向に導くための効果的な方法の一つとして紹介しています
「自身の都合のいいように操る、誘導する方法」では断じてありません、ご留意ください

他にもITコンサルの現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

ITコンサルだけではなく、SIerやSESの方々にも有益だと思います

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