【行動経済学×ITコンサル】なぜメンバーが動いてくれないの?を解決する3つのポイント

行動経済学をITコンサルとして実践してきた経験を活かし、明日使える知識を紹介します
私のバックグラウンドや具体的なターゲットなどは導入ページをご参照ください

ITコンサル業務につかえるポイント

行動経済学の理論(項目)の一つである、傍観者効果 – bystander effect – 

をもとに、ITコンサルタント実務に活用可能なポイントを紹介します

  1. 責任者を明確にする
  2. 責任者以外のチームメンバーも傍観者にしない
  3. 安易にダブルチェック、トリプルチェック体制を組まない

傍観者効果とは

何かの事件に対して、自分以外に傍観者がいる時に率先して行動を起こさなくなる心理
参加者や目撃者が多いほど「傍観者」と同化してしまい、当事者意識が薄まる
自分以外の誰かがやってくれる、自分だけが行動して目立ちたくないといった心理になることが知られている

Wikipediaより引用

というものです。

自身が行動した方がいい気はするけど、他の誰かがやってくれるだろう・・・

という気持ちになったことは誰でもあるでしょう

傍観者効果を踏まえ、どのように行動すべきか

活用ポイント1 : 責任者を明確にする

人間は基本的に傍観者になろうとします。

その結果、プロジェクトなどにおいては

意思決定が進まなかったり、進捗が悪くなったりします

読者の皆様も心当たりがあるのではないでしょうか

傍観者を作らないように、意識的に関係者を巻き込むことが重要となります

経験上、責任者(意思決定者、チームリーダーなど)が明確になっていないケースが意外に多いです

なんとなくのキーパーソンはわかっていても、明確化されていないため

キーパーソンが突然欠席になった場合も

そのままミーティングは実施されてしまい

結局何も決まらない・・・というケースもあります

全体の責任者だけではなく、インフラ、アプリ、運用など各分野において責任者を明確にしましょう
ミーティングの生産性向上に向け、ミーティングのトピックが何なのかを事前に周知しておくことをオススメします

全体スケジュールやアジェンダとして、日程と内容を書いた表を作ることが多いと思いますので

内容と合わせて、各回の必須責任者を記載してしまいましょう

周知した上で、決めたいトピックの責任者の参加を促してください

責任者が出席できない場合、ミーティングのスケジュール自体を動かすか、トピックを変えることを検討しましょう

「あなたがいないとミーティングの意味がないんです」という意思を伝えることで、

責任者の参画意識も増すことが期待できます

活用ポイント2 : 責任者以外のチームメンバーも傍観者にしない

責任者をきちんと立てる一方で、責任者以外のチームメンバーが傍観者とならないよう注意しましょう

責任者のみが発言し、チームメンバーが全く発言しないパターンがよくあります

実際問題として、参画意欲がなくても問題ないメンバーがいるケースもありますが・・・

基本的にはミーティングに出ている以上、全員の参画意識が高い方が良いでしょう

なぜ傍観者になってしまうのかというと以下が考えられます

1)発言したら、責任を取る必要がある

2)責任者(チームリーダー)のことが嫌い

3)そもそも仕事にやる気がない

2や3については当ブログでの解決は難しいですが

1については、誰が言った意見かではなく、内容だけを気にする姿勢をとることで対応できます

言った人が解決すべき、ではなく、みんなで解決すべきという方針を打ち出しましょう

特にプロジェクトの最初の方では「この意見はみんなで対応すべき問題ですね」などと明確に口に出すのもよいです

さらに責任者から意見が出た際、

「他にご意見ないですか?」

「みなさまの意見と考えてよいですか?」などと

巻き込むようにふるまうことが有効です

チームメンバーは現場からしか出せないような良い意見を持っていることも多いので
傍観者になってしまわないよう、「意見を出した方が得だ」と感じてもらえるミーティングにしましょう
「リーダーはああいう風に言っているけど、内心合意はしていない」、という事態は防ぎたいですね

活用ポイント3 : 安易にダブルチェック体制を組まない

資料を作成する際、チームメンバーが作成して、チームリーダーが確認する

といったダブルチェック体制を組むことはよくあるでしょう

ダブルチェック体制では、片方が傍観者となる可能性があります

チームメンバーの観点では、「チームリーダーがチェックしてくれる」という心理になり

完成度が低くてもいいと考えてしまう、さらに責任感が薄れるということもあります

つまり、チームリーダーは

「適当に出してくれればチェックします」

という雰囲気でチームメンバーに依頼してはいけません

基本的にはチームメンバーの資料をそのまま提出します、意気込みをチームメンバーに伝えましょう
責任を持たせ、傍観者ではなくす形とすることで資料の品質もあがりますし、

チームメンバーのスキルも向上します

もちろん、資料の品質に対して最終的に責任を取るのはチームリーダーですので

品質担保のための最小限のレビューや手直しは必要ですし、

「何かあったら責任はリーダーである自分がとる」という姿勢は常に見せることは重要です

まとめ

行動経済学の理論の一つ、傍観者効果をもとに

責任者を明確にするなど、お客様はチームメンバーをきちんと巻き込むための

ITコンサル現場での活用方法を3つ紹介しました

ぜひ明日からの業務で意識していただければと思います

他にも現場で使える知識をブログで紹介していますのでご覧ください

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