技術士試験とは何か
技術士は、日本技術士会が実施している、コンサルタント系では唯一の国家資格です
技術知識だけではなく、技術者およびコンサルタントとしての
倫理感に重きを置いている点が特徴的であり
実際の活動からも、試験問題の内容からもかなり感じられます
技術士は21の部門(分野)ごとに試験自体がわかれており、
登録時に名乗ることができる名称も部門ごとに異なります
表記する場合は後ろに部門をつけるルールになっており、
私の場合は技術士(情報工学部門)という形になります
正直なところ、技術系の職種についている方であっても
知名度がそれほど無い資格であると感じています
さらに弁護士や司法書士のような業務の独占領域はなく、以下の通り会費も発生します
(1)40歳未満 年会費=10,000円
(2)40歳以上50歳未満 年会費=15,000円
(3)70歳以上 年会費=18,000円
そのため「難しそうだけど、そこまでのメリットがあるのだろうか」と
考える方が多いようです
そこで本記事では技術士試験の概要と、技術士に登録するメリットについてお伝えし、
さらに合格率や、どの程度の難易度かについて記述します
これらの情報により、多少なりとも知名度向上に寄与したいと考えています
合格率
令和五年度の技術士第二次試験の合格発表があり、情報工学部門の合格率は6.3%でした
各部門でばらつきはありますが、概ね1桁~20%弱ぐらいの合格率です
私の持っている情報工学部門の合格率は6.3%と、例年より低い形となっていました
しかし問題は合格率ではなく、その母数であると感じています
受験者が413名で、合格者が26名となっており、受験者数自体が少ない状態です
技術士としては、草の根活動も含めて知名度の向上に寄与していかないと
という意識を強めています
建設部門の受験者が13,328人であることを考えると、差が歴然です。。。
技術士になるまでの流れ
試験は大きく1次試験と2次試験があり
2次試験に合格後、登録を行うことで技術士を名乗ることができます
1次試験に合格すると技術士補となります
2次試験の受験資格として、技術士補となってから基本的には7年、
最低4年の実務経験が必要です
ずっと試験のことを考えるわけではないですが、かなりの長期間必要な点に注意が必要です
詳細な条件は受験のすすめを参照してください
技術士に登録するメリットとは
技術士に登録するメリットは、大きく三つあると感じています
1)技術士向けのセミナーや勉強会などに参加できる
2)モチベーションがあがる
3)業務上のニーズに直結する
1)技術士向けのセミナーや勉強会などに参加できる
情報工学部門に関連するセミナーだけでも月一回程度開催されており、メールでお知らせが来ます
具体的な内容としては、同業者(同業種)の技術交流会、開業に向けたセミナー、
企業の皆様に登壇いただくセミナー、施設見学会などがあり、多岐にわたります
同じ技術に興味のある人たちは、だいたい同じような業種ですので、
交流会などからコミュニティが広がることもしばしばあります
2)モチベーションがあがる
普段はそれほど技術士という資格を意識して仕事をしているわけではないですが
技術士倫理に照らし合わせて、どのように動くべきかを考えることがあります
精神論になりますし、個人差はありそうですが
あるべき姿を意識しながら業務を進めていくことは
モチベーション向上への影響がかなりあると感じています
また、少し逆説的ですが。。。
倫理的に問題がありそうな事態に直面した際に
きちんとNOと言えるだけの(いつでも辞められるような)市場価値を身に着けることや
社内での立ち位置を確保するようにも意識しています
3)業務上のニーズに直結する
と書いては見ましたが、これは登録している部門に大きく依存します
私の知る限り、建設部門のみが対象となるようです
建設関連では、国などが出す公示の中に
「プロジェクトメンバーに技術士(建設部門)がX名含まれること」
という文言があり、入札する場合は技術士を揃える必要があります
これはかなり技術士合格へのモチベーションが上がりますね
受験者数の観点でも、建設部門は令和五年度で13,000人を超えており圧倒的です
ぜひ情報工学部門でもRFPに入れてもらいたいですね。。。
技術士になるモチベーションが高まったら
一次試験にパスしている方は、まずは二次試験の申込に入りましょう
例年3月末ごろに申し込みがスタートしており、令和6年度分は2024年3月25日に申込書が配布されます
詳しくはこちらの実施案内を参照してください
二次試験の合格率を鑑みると、適切な対策が重要となります
次回は、技術士の二次試験での傾向と対策について記事を書いていきます